紙は生きもの
梅雨真っ盛り
昔お世話になっている茶道具屋へ行った時のこと
店主が以前私が納めた掛け軸を出して吊ってくれておりましたが、その軸は湿気を含んでボコボコにたわんでおりました
見ると湿気の多い水回りの棚に保管されていたようで・・・
本職の茶道具屋さえこの有様か!と思ったことがあります
方や別の茶道具屋は湿気の少ない二階の倉庫に絨毯を敷き整然と並べられ大事に保管されておりました
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どんないい仕事をした掛け軸でも、梅雨のこの時期はダラっとなります
それが晴れた日にはピンと張ってきます
紙は驚くほど伸び縮みします
手表装された掛け軸は糊を水で溶いて作られております
ですので湿気で剥がれたりすることもあります
(だから修復ができるのですが)
一方機械で表装されている軸は熱により接着されています
ゆえに紙も糊も手表装とは全く違う材料で作られております
それぞれに利点はあるので一概には言えませんが・・・
紙は生きもの
伸びたり縮んだり
パリっとしたりダランとしたり
人間と一緒ですね!
日本の風土から生れた文化
気候や天気により変わる様を楽しむ心持ちで掛け軸に親しんでもらえたらと思っております
この時期は特にからりと晴れた日には虫干しを
季節が過ぎたお軸を鑑賞してみるのも一興です