つぶやき
茶道具屋を始めた頃(掛け軸を始める前)
当初は抹茶碗売りから始まりました
抹茶碗の代表格である【楽茶碗】があります
縁があり、それを京都の亀岡の窯元に焼いてもらっていました
そして出来た楽茶碗を紙箱に入れて茶道具屋へ卸していました
ある日茶道具屋へいつものように卸しに行くと
「桐箱に入れて」
と言われ
それから紙箱から桐箱に
飛ぶように売れるようになりました!
コストは上がったけど 桐箱に入れた方が売れる・・・
古く
大概のお茶の道具は作品に合わせひとつひとつ作られた木箱(桐箱の他、モミの木で作ったモミ箱やうるし塗りの箱など)に入っていました
湿気やそれによる虫食いなどから守ってくれる、まさに日本独特の気候から生れた文化であり道具の保管には最適です
また物を大事にするという習慣
手間暇かけた道具の仕舞い方は職人への敬意の表れであったと思います
しかしいつしか時代が移り変わり
箱も作品までも大量生産へ
大量生産された作品が
木箱に収められ箱書きがついて高く売れる
中身より箱
そしてバブルの終焉である
たとえそれがどんな小さな作品であっても
人の作ったものにはぬくもりがある
かわいい木箱に入っている作品に出逢ったとき
ほっとする