【一休庵徒然日記】第三話

第三話 「茶道具屋一休庵 はじまり」

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大学卒業後、3年間金融マンとして働いた。

当時担当していた会社の一つが茶道具関係の小さな会社だったのですが、この大都市神戸で茶道具屋さんがたったの10軒ほど、、、

「これはイケる!」

と単純な発想で金融マンを辞め茶道具屋を始めたのである。

ところが一休庵と屋号を決め、タウンページに掲載をとNTTに申請に行ったところ

「〈茶道具〉という項目はありません。」

と、〈陶器屋〉の項目に入れられた。

当時〈茶道具〉の項目があったのは京都・ 大阪・ 東京だけ。
それほどこの神戸ではマイナーな職業だった。

颯爽と神戸市内の茶道教室へ
手当たり次第飛び込み営業へ。

お稽古中にお邪魔し、段ボール箱から茶碗を出して

「このお茶碗いかがですか?」

先生方の唖然とした顔は今でも忘れません (笑)


そのうち、一人の先生(後の私の師匠)が
「後で私の家に来なさい」
と言ってくださり、それからようやく私はお茶のお稽古をはじめることになりました。

挨拶の仕方
お茶の作法
先生へのお礼
風呂敷の包み方・・・

色々教えられました。

それから他のお茶の先生を紹介して下さり・・・芋づる式にあれよあれよと忙しくなり
茶の世界へと入っていきました。

つづく